ただより高いものはない ~楽天ひかりという泥沼からの生還記録~
どうやら、一筋縄ではいかない砂の迷宮に迷い込んだらしい。この顛末を書き残しておくか。
「1年間無料」…その甘美な響きに誘われ、私は楽天ひかりという名の、新たなオアシスへと旅立った。しかし、そこで私を待ち受けていたのは、潤沢な水の流れではなく、下り数Mbpsという、絶望的な「泥沼」だった。
同じ光コラボレーションのはずなのに、かつて住んでいたソフトバンク光のオアシスとは、あまりに景色が違う。リモート会議の声は途切れ、ゲームのデータは天に召され、アマゾンの商品ページさえ開かない。これは、キャンペーンという名の蜃気楼に騙され、「ただより高いものはない」という砂漠の掟を、骨の髄まで思い知らされた、一人の冒険者の、血と汗と涙の記録である。
この羊皮紙のあらまし
- この羊皮紙のあらまし
- この羊皮紙が導く者
- 悪夢の始まり:デュアルセッションという名の呪い
- 泥沼からの脱出:IPv6クロスパスという秘儀
- 最後の試練:ルータモードでHomeCareという結界を張る
- 羊皮紙を巻く前に
- 砂漠で見つけた魔法のランプ
- ラクダの独り言
この羊皮紙が導く者
- 「楽天ひかり」という名の、魅惑的な蜃気楼に興味がある者
- 楽天ひかりの通信速度という、底なし沼からの脱出方法を探している者
- IPv6クロスパスという名の秘儀を使い、DecoのHomeCareという結界を張りたい探求者
悪夢の始まり:デュアルセッションという名の呪い
悪夢は、ある朝、突然インターネットに繋がらなくなるという、最悪の形で始まった。 楽天のサポートギルドに助けを求めると、原因は「デュアルセッション」という名の呪いだという。NTTホームゲートウェイと、自前のWiFiルータ、二つの祭壇から同時にインターネットへ祈りを捧げていたことが、神々の怒りを買ったらしい。
泥沼の速度
呪いを解いても、状況は好転しない。Decoアプリが示す速度は、下り2.7Mbps。思い出すのも難しいほど、遥か古の時代の数値だ。

不思議なことに、fast.comのような一部の占いでは、200Mbpsという、ありえない吉兆が示されることもあった。しかし、それは一瞬の幻。体感速度は、泥沼のままだった。
泥沼からの脱出:IPv6クロスパスという秘儀
楽天ひかりでまともな速度を得るには、「IPv6クロスパス」という、選ばれしルータでしか使えない、高度な魔法が必要だった。 しかし、愛用の「tp-link Deco X20」は、この秘儀に対応していない。私は、間に挟むためだけの中継ルータとして、NECの「Aterm WG1200HS4」を、渋々手に入れることになった。

この神器をNTTホームゲートウェイに繋ぐと、いとも簡単にクロスパス接続が確立した。

最後の試練:ルータモードでHomeCareという結界を張る
通常なら、Atermをルータ、Decoをブリッジモードで使うのが定石だ。しかし、それではDecoが誇る「HomeCare(アンチウイルスなど)」という強力な結界が使えなくなってしまう。 試行錯誤の末、私は一つの裏ワザに辿り着いた。DecoのIPv4接続を「動的IP」に設定するのだ。

この設定が正しいのか、公式の古文書には何も記されていない。しかし、結果として、HomeCareは有効になり、通信速度も劇的に改善した。

羊皮紙を巻く前に
楽天ひかりという泥沼から学んだ教訓は、あまりに大きい。
- デュアルセッションは、神々の怒りを買う禁忌。
- IPv6クロスパス接続は、この泥沼から脱出するための、唯一の命綱。
- そして何より、速度測定の数値を、決して鵜呑みにしてはならない。
都合の良い瞬間の速度を切り取って「速い」と謳う評価サイトは、もはや「胡散臭い」と判断していいだろう。 「無料期間が終わったら解約するか?」と問われれば、今の私は、迷わず「然り」と答える。根本的な品質の問題は、解決していないのだから。
この羊皮紙が、同じように「ただより高いものはない」という砂漠の掟に打ちのめされている、未来の冒険者の助けとなることを願う。
おっと、どうやら相棒が腹を空かせたようだ。今日はこのへんで筆を置くとしよう。
砂漠で見つけた魔法のランプ
- 楽天ひかり | 私を泥沼へと誘った、魅惑の蜃気楼
- Deco X20 | 結界を張りたかった、愛用のメッシュWiFi
- Aterm WG1200HS4 | 泥沼から私を救い出した、質実剛健な神器
- fast.com | 時として、甘い幻を見せる速度占いの泉
- test-ipv6.com | 我が身が、真にIPv6の民となったかを確認する試練の場
- Fing | 我がネットワークの民を監視する、魔法の水晶玉
ラクダの独り言
ご主人が「ネットが遅い!」と、何日も唸り続けていたかと思えば、今度は黒い箱をもう一つ繋いで「速くなった!」と大喜びしている。俺に言わせりゃ、そんなもん、最初から速いと評判の道を選んどきゃいいだろうに。なんでわざわざ、評判の悪い道を選んで、後から文句を言うのかね。まったく、人間ってのは、面倒なことが好きだな。やれやれだぜ。