砂漠の旅人(たびと)

UNIX / MS-DOS 時代から電脳砂漠を旅しています

【人柱】ただより高いものはない!楽天ひかり のIPv6クロスパス環境で Deco の HomeCare を使いたい

こんにちは、たびとです。

楽天経済圏に入るため、楽天モバイル楽天ひかりをセットで契約しました。 楽天モバイルはデュアルSIM前提と考えれば、選択肢としてアリでしたが、楽天ひかりはダメです。

たびとの環境では、 遅いとき PPPoE 接続が数Mbps と、こんな数値を見たのは思い出すのも難しいぐらい大昔です。 ソフトバンク光から楽天ひかりに契約変更した途端にダメになりました。同じ光コラボレーションなのに差があり過ぎます。

キャンペーンの1年無料に飛びつき「 ただより高いものはない!! 」を思い知らされました。 そんな絶望的に遅い楽天ひかりをIPv6クロスパスに変更して改善した話です。 ただし、楽天ひかりは根本的に回線品質に問題がありそうなので満足度は低いです。

また、tp-link Deco を IPv6 クロスパス環境でルータモードで設定する方法も記載しています。 それと、今回の調査で判明した速度測定の考察は必見です。

この記事の対象者

  • 楽天ひかり」に興味のある方
  • 楽天ひかりの通信速度の改善に興味のある方
  • 楽天ひかりの IPv6 クロスパス環境で Deco の HomeCare を使いたい方

楽天ひかり の悪夢

ソフトバンク光から楽天ひかりに切替わって数日後、朝、突然インターネットに接続できないトラブルが発生しました。 今からテレワークで仕事をしようかと思ったときのトラブルだったので、とりあえず、スマートフォンテザリングで回避しました。

テザリングでは遅いため、楽天のサポートに電話して調査して貰うと、 「デュアルセッションにより、通信が不安定になっています。」と説明されました。

デュアルセッションとは

NTT ホームゲートウェイ (RX-600KI)に PPPoE の設定を入れて、WiFi ルータ(Deco X20)にも PPPoE の設定を入れていました。 通常 NTT ホームゲートウェイは未使用ですが、NTT ホームゲートウェイWiFi ルータのどちらが問題なのか、トラブルの切り分けとして、別の WiFiルータ (Airmac Time Capsule) をブリッジで接続して確認したのですが、それが大きな間違いでした。

楽天のサポートから言われたのは、2か所からインターネット回線に接続すると通信が不安定になるため、 やらないようにと言われました。 また、やり直すときは、電源を切って 20 ~ 30 分は開けるようにとも言われました。 時間を空けると IP が振り直されるので混雑が緩和される可能性があるそうです。

デュアルセッション解除後

デュアルセッションを解除するため、NTT ホームゲートウェイに設定していた楽天のアカウントを削除し、 WiFi ルータの設定のみにしました。しかし、インターネットは遅いままです。

Deco の iPhone アプリで速度を測定しています。この方が Deco 自身の有線 LAN から NTT ホームゲートウェイに直結なので、 より正確な計測ができるのではないかと思います。 この速度測定で、最低の値が出たのは、22時前で下り 2.7Mbps 、上りは 219.1Mbps です。 なぜか、常に上りは200~300 Mbps と悪くない数値です。

最低速度のスクリーンショット
最低速度のスクリーンショット

デュアルセッション解除後も、以下のような現象が頻発していました。

  • リモート会議の音声がたまに聞こえなくなる。
  • スマートフォンのゲームデータがネットワークから取得できない。
  • アマゾンの商品ページが表示されない。

たまに、下り 20 ~ 100Mbps の速度が瞬間的に計測できますが、 直ぐに遅くなるため、安定した通信ができない状況です。 はっきり言って使い物になりません。

しかし、よくある速度測定サイト fast.com の値は、下り 200 Mbps 弱を計測することがありました。 瞬間最大速度を拾っている感じで、測定結果とは裏腹に体感速度は何も改善されないままでした。

別の速度測定サイトでは、もっと悪い数値が表示されていたので、 複数のサイトで実施してみることを進めます。

楽天ひかり で IPv6 クロスパス (IPoE / IPv4 over IPv6)

楽天ひかり は、IPv6を使うためには、クロスパス対応のルータでないとダメだそうです。 (IPv6 は、色々な表記が入り混じるため、わかり辛いです。)

network.mobile.rakuten.co.jp

NTT ホームゲートウェイ (RX-600KI) は対応しない

NTT ホームゲートウェイ (RX-600KI) は、PPPoE 設定のみです。 IPv6 クロスパスには対応しないため、別のルータが必要です。

また、デュアルセッションにならないように、 PPPoE 設定にプロバイダのアカウントを設定しないように注意しましょう。

tp-link の WiFi ルータの場合、「 DS-Lite 」を選択し、 AFTR名に「dgw.xpass.jp」を入力することで、 IPv6 の設定ができるようです。

しかし、Archer シリーズはできるのに、 「 Deco シリーズ 」はダメなようです。 実際に設定しましたが、ダメでした。 他の WiFi ルータを使うしかなさそうです。

NEC WG1200HS4 の購入

WiFi 接続は Deco X20 のメッシュ WiFi を使うため、 NTT ホームゲートウェイと Deco X20 の間に楽天ひかりの IPv6(クロスパス)対応ルータを 入れて、WiFi 機能オフで使うことを考えました。

ルータ機能だけ使いたいため、WiFi 機能は不要です。逆に有線 LAN の速度が重要です。 バッファローはいい思い出がないので、NEC Aterm の WG1200HS4 を選びました。

速攻で欲しいので、アマゾンで探すと、前の型番 WG1200HS3 はありますが、WG1200HS4 は品切れです。 古いとクロスパスに対応しないこともありそうなので、仕方なく 楽天サイト で購入することにしました。

さて、届いて箱を開けると、思っていたよりかなり小さかったです。 NTT ホームゲートウェイ(RX-600KI)と比べると、かなり小さいことがわかります。

NTT ホームゲートウェイと Aterm WG1200HS4 の比較写真
NTT ホームゲートウェイAterm WG1200HS4 の比較

NTT ホームゲートウェイに有線 LAN を指すだけで自動認識されてインターネットに接続できました。

クロスパスの設定を確認する画面
クロスパスの設定を確認する

しかし、WiFi 機能をは使わないため、WiFi 機能はオフにしました。上記の写真も 2.4GHz と 5GHz のランプが消灯しています。

WiFi 機能をオフにする画面
WiFi 機能をオフにする

これで、ようやく以前の生活に戻れそうです。

クロスパス環境で Deco の HomeCare は使えるのか?

通常は「Aterm WG1200HS4 (ルータ) + Deco X20 (ブリッジ接続)」で使うのでしょうが、 ブリッジ接続と DS-Lite では、HomeCare (アンチウイルス・保護者管理・QoS) が使えなくなります。

なぜ Deco を使うのか

たびとが Deco を使う理由は以下の通りです。

すべての設定と確認は、スマートフォンのアプリからできます。

ルータモードでの設定

ルータモードで利用するには、IPv4 接続で「 動的IP 」を選択します。

IPv4 と IPv6 の設定画面
IPv4IPv6 の設定

この設定の項目を Deco X20(JP) ユーザガイド で確認しても「プロバイダーへお問い合わせください」としか書いてありません。 (いや、そうじゃなくて、どういう仕様なのかを教えて欲しいんだけど・・・)

結局、この設定で本当に正しいのか、わかりませんが、「動的IPとはルータ(Aterm)側からDHCPでIPを取得するだけ」のように思えます。 取り敢えず、現状問題ないので、このまま様子見することにします。

無事、HomeCare を使うことができました。

HomeCare の確認画面
HomeCare の確認

IPv6 を確認しても問題なさそうです。

IPv6 の確認画面
IPv6 の確認

最終的な速度です。23時半ぐらいで 100Mbps が出ています。

クロスパス後の速度測定の画面
クロスパス後の速度測定

ちなみに、履歴も表示できます。下りは 76.6 ~ 197.8 Mbps となっていて、クロスパス後は速度が改善されているようです。

速度測定の履歴画面
速度測定の履歴

これで、ようやく普通にインターネット環境が使える環境になったようです。

まとめ

楽天ひかりの回線速度の問題解決において学んだことは以下の通りです。

  • デュアルセッション NG のため、NTT ホームゲートウェイの PPPoE 設定は空にする。
  • IPv6 クロスパス接続が必須である。PPPoE 接続は使い物にならない。
  • クロスパス対応 WiFi ルータは限られている。
  • tp-link Deco は IPv4 を動的IPに設定することで、ルータとして運用できる。
  • 速度計測の結果に、過度の信用は禁物である。

今後「楽天ひかりを使い続けたいか?」と聞かれれば「 無料期間が終わったら解約します 」と答えます。 ただし、設備増強などで通信品質が向上すれば再検討の余地はあります。

次の第一候補は、NURO光です。 ソフトバンク光は、速度は魅力的ですが、解約時に白い WiFi ルータ返却が元払いだったので除外します。

最後に速度測定の考察、参考サイトを掲載しておきます。

では、皆さん、よい旅を。

速度測定の考察

インターネット回線の速度測定は注意が必要です。

IPv6 クロスパス接続後も、楽天ひかりは品質の波が大きく感じます。

  • ある瞬間速く計測できることがあるが、なぜか体感速度は遅く感じる。
  • AM 2:00 の計測で「下り 516.1Mbps」の最速値が、たまたま出た。
  • 利用者が多くなる時間帯は、瞬間的に遅くなる現象が発生する。

ベストエフォートなので、利用者が多いほど遅くなるのは理解できますが、 他のプロバイダに比べてて、楽天ひかりは速度差があり過ぎるように感じます。

たまに急にネットワークが重くなる現象が起こります。 やはり、楽天ひかりは根本的に品質に問題があると考えます。

ついでに、プロバイダ選びのとき「楽天ひかりは速い」と謳うサイトを数多く目にしましたが、 今回の調査から「 速度計測は都合の良いように簡単に情報操作できる 」ことが実証されたので、 速度計測を前面に出す評価サイトは「胡散臭い記事」と判断してよさそうです。

速い速度が測定できたのは事実でしょうが、それだけで安心するのは盲目過ぎます。

例えば、PPPoE 環境でも、NTTホームゲートウェイWiFi ルータの電源を落として、 30分経過後に電源を入れて速度計測すると、時間帯にもよりますが、 速い結果を表示させることが可能でした。 (推測ですが、電源断30分経過後にIPがリセットされ、セッション確立の直後だと良い数値が出やすいのかもしれません。)

つまり、どんなダメな環境でも、たまたま速い数値を計測することが可能なので、 速度測定の評価なんてものは、過度に信頼すべきではありません。

参考サイト