我が仕事場に、理想の要塞を ~DIYで創り上げる、究極の作業環境~
旅の途中、興味深いオアシスを見つけた。忘れないうちに、この羊皮紙に記しておくとしよう。
テレワークという名の、終わりなき旅が日常となった。しかし、私の作業場は、会社へ赴くのが当たり前だった時代の、妥協に満ちた仮初の宿のまま。在宅率が上がるにつれ、その不便さは、もはや看過できないレベルに達していた。
既製品を買い漁る旅もあるだろう。しかし、真に我が魂にフィットする道具と出会える機会は稀だ。ならば、道がないなら創ればいい。最近始めたDIYという名の錬金術で、世界でたった一つの、私だけの「作業要塞」を、この手で創り上げることを決意したのだ。
この羊皮紙のあらまし
この羊皮紙が導く者
冒険前の、不満だらけの我が拠点
これが、冒険に出る前の、私の作業場だ。一見、整っているように見えるかもしれない。しかし、その実態は、数々の妥協の上に成り立つ、砂上の楼閣だった。

- 下げられないモニター: 32インチ4Kモニターの前に鎮座するサブテーブルが、その自由を奪っていた。
- 動かせないモニターアーム: 机下のケーブルトレーが、アームの最適な配置を阻んでいた。
- 届かないデスクライト: 4Kモニターの巨体が、手元を照らすべき光を遮っていた。
要塞建築の儀式:ツーバイ材と突っ張りジャッキ
この全ての不満を解消するため、私は「壁面を使った棚」という、新たな要塞の建築に取り掛かった。 心臓部となるのは、ツーバイフォーの柱を、天井と床で強力に突っ張る「ウォリスト突っ張りジャッキ」という名の神器だ。
儀式の準備
ホームセンターで手に入れたツーバイ材という名の石材を、電動サンダーという魔法の道具で、その表面を滑らかに磨き上げる。

ワトコオイルという名の聖油を塗り込み、木材に魂を吹き込む。

要塞の建立
聖油が乾いたら、柱を立て、棚を組み上げていく。

モニターアームを設置し、二つの魔法の窓を奉納する。しかし、ここで問題が発生。二つの窓の重みに、棚が耐えきれず、ぐらついてしまうのだ。急遽、L字金具から、より強固なツーバイ材による内側からの補強へと、設計を変更した。

最終仕上げ
ケーブルトレイで神経網を整理し、デスクライトという名の灯台を設置すれば、ついに、理想の作業要塞は完成した。

羊皮紙を巻く前に
机の上がスッキリし、4Kモニターは理想の高さに、サブモニターはフラットに。そして、デスクライトは、照らすべき場所を、完璧に照らしている。かつて私を悩ませた、全ての妥協は、この要塞から消え去った。
やはり、自らの手で創り上げた拠点は、既製品では決して得られない、最高の使い勝手と、何物にも代えがたい愛着を与えてくれる。 電動サンダーが撒き散らす粉塵との戦いは過酷だったが、その苦労の先には、最高の報酬が待っていたのだ。
この羊皮紙が、同じように自らの作業環境という名の世界を、より快適なものにしたいと願う、未来の冒険者の助けとなることを願う。
風向きが変わったようだ。この機を逃さず、次の砂丘へと旅立とう。
羊皮紙の余白に書き足す
この要塞を築いた後も、私の旅は続く。120cmの机では、やはりこの二つの窓を活かしきれず、私はついに140cmのゲーミングデスクという、更なる新天地を求めることになるのだ。
砂漠で見つけた魔法のランプ
- ウォリスト突っ張りジャッキ | 天地を繋ぐ、強力な神器
- マキタ電動サンダ | 石材を磨く、信頼の魔法道具
- ディアウォール | より手軽な、もう一つの突っ張り魔法
ラクダの独り言
ご主人が、何日も工房にこもって、木屑と塗料の匂いをさせていると思ったら、なにやら巨大な棚みたいなものを創り上げて、悦に入っている。俺に言わせりゃ、そんな立派な要塞を創る前に、俺の寝床の藁でも新しくしてほしいもんだがな。まったく、人間の情熱ってやつは、よく分からん方向にいくもんだぜ。やれやれだぜ。

